宮城県の相続問題
相続が必要となった時、所有していた「財産」を相続人に分配します。その「財産」の中には現金だけでなく、車、貴金属、不動産などがあります。宮城県では全国で最も空家率が少なく、貴金属などの動産よりも不動産が相続財産になるケースが多いです。
相続人が複数人おり、不動産を共同で所有する中で、1人がその不動産を手放したいとしたら。亡くなった方と一緒に同居し世話していた特定の相続人がいたとしたら。持ち分をめぐって相続人の間でトラブルへと発展することは珍しいことではありません。
宮城県の地価
自分の土地は安く買ったし、相続税の対象外だと安心していると、地価が上昇し相続税の対象になっていたということが多発しています。
例えば宮城県の地価は平成27年において仙台市で1㎡あたり72,999円。全国の県庁所在地の地下で比べると16位となっており、東北地方の中では一番高い金額となっています。
ここ数年で地価が上昇している地域もあり、石巻市鹿又の地価は16.7%上昇し1㎡28,000円、宮城郡利府町は12%、登米市は前年から10%も地価が上がっています。
最も高い地域は仙台市青葉区上杉4丁目で1m2あたり21万1,000円となっており、平均価格の3倍程度。一方、商業エリアを見てみると、仙台市青葉区中央2丁目あたりが最も地価が高く、1m2あたりの地価は224万円となっており、一概に平均単価、過去の価格で価値を考えていると、相続時に予想以上の費用が発生することも多いため、事前に確認することが大切です。
宮城県の貯蓄残高と所得
宮城県の世帯当たりの貯蓄高の統計では、全国で40位の1,157万円とどちらかといえば下の方です。しかし、所得が5,000万円超の人が614人、1億以上の人が101人もおります。さらに仙台は昔ながらの土地故に先祖代々受け継がれてきた広大な土地や、江戸時代から残る武家屋敷などを所有している人が多いため、相続財産の計算は複雑化します。相続時にトラブルにならないように事前に対策することが大切です。
相続と相続税
相続が必要となるとき、一定金額以上では相続税が発生します。国税庁の調査によると、宮城県の相続税の納付税額は146億9,700万円と全国では17位です。また東北6県の中ではダントツの1位となっています。
相続問題を早急に解決しなくてはいけない理由
相続を事前に準備し、相続問題が発生した場合も早期に解決するべき理由は単純な人間関係のトラブルだけではありません。
不動産を相続する際に共同所有になることは多いですが、さらにそれがもう一世代相続された場合、相続人が大人数となり、土地建物の処理について話し合うことすら困難になることがあります。
他にも相続税の申告は死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内と決められおり、期限に送れると追加で税金を支払う必要があります。
このような問題に終われ、更なるトラブルを起こさない為にも、専門家に事前に相談し、スムーズに相続を行うことが重要となります。
土地建物を複数人が相続した場合
相続人が複数いた場合、土地建物の所有権も分割され、共有持ち分になることが多いです。その時に1人が持ち分を売却したい、あるいは家自体を売却したいと言い出す事例がよくあります。その為他の相続人が現金で用意しなくてはならず、借金を負うこともあります。自身の死後にそのような問題が発生し親族の関係が悪化しない為にも、生前から相続の準備を行うことが重要です。例えば一緒に住んでいた相続人が土地建物を相続できるよう遺言書を制作したり、生前贈与をすることでトラブルを未然に防ぐことができます。